配属先での業務
Work at each Lab and facility
研究施設技術班
(配属:森友子・牧野・山口)
「遺伝子・タンパク質解析の共同利用拠点」
トランスオミクス解析室は、遺伝子・タンパク質解析の共同利用拠点として、機能ゲノミクス分野において、所内外の研究者と共同利用研究を進めています。室の技術職員及び支援員は、共通機器の適切な管理・運用と技術支援を行っています。また、セミナー等を開催し、情報共有と人的ネットワークの構築を促進しています。
共同利用研究
トランスオミクス解析室が運用する次世代シークエンサーや質量分析装置を活用する共同研究を推進しています。技術職員及び支援員は、研究の打ち合わせから実験・データ解析まで幅広く研究者をサポートしています。
共通機器の管理
40種類70台にのぼる多数の共通機器を管理・運営しています。技術職員及び支援員は、これらの機器を研究者に有効に活用していただくために技術的なサポートを行っています。
トレーニングコース
実験生物学者向けのバイオインフォマティクスの講座として、ゲノムインフォマティクス・トレーニングコース(GITC)を年に4回ほど開催しています。技術職員及び支援員は、講師や事務局を務め、コースの運営に関わっています。
(配属:高木・斎田)
「光を駆使して生命の秘密を探る」
バイオイメージング解析室では光をツールとする研究機器の管理と運用を行っています。主な設置機器は大型スペクトログラフと顕微鏡です。技術職員及び支援員はこれらの機器の維持管理及び所内外の利用者の技術支援を行っています。
大型スペクトログラフ
世界最大の超大型分光照射設備です。光と生物の関係を調べる研究などに利用されています。
顕微鏡
共焦点レーザー顕微鏡や二光子顕微鏡などの大型の顕微鏡から、蛍光実体顕微鏡などの小型の顕微鏡までバイオイメージングに必要な機器を各種取り揃えています。
共同研究支援
機器の管理運用だけではなく、共同研究の支援も積極的に行っています。外国人との英語の研究打ち合わせにも参加し、より高度な技術支援を目指しています。
(配属:西出・中村・杉浦)
ネットワークが無かった時代に戻れますか?
データ管理解析室では次世代シークエンサーや蛍光顕微鏡などから取得されたデータを解析するための生物情報解析システムを提供しています。また、研究所のネットワークの管理やセキュリティに対する啓もう活動を行っています。技術職員及び支援員は、それら計算システム、所内ネットワークの維持管理、ユーザーへのサポート、Webサイト・Web予約システムの構築などを通して研究所の活動を支えています。
大容量高速
データサーバ
次世代シークエンサーなどから吐き出される大量のデータを収めるためのサーバ。日々増えるデータ量に対応することが大きな課題です。
アクセスポイント
所内に張り巡らされたネットワークは今ではなくてはならないインフラの一つです。無線LANによりどこでもワイヤレスでインターネットに接続可能な環境を構築しています。
(配属:諸岡)
快適な環境づくり・・・人のためではなく
生命科学の研究は興味深い現象を持つ生き物を育てることから始まると言っても過言ではありません。そのために、対象となる生き物がすくすく育つような最適な生育環境を与えることが重要になります。モデル生物研究支援室の植物担当グループでは、技術職員・支援員が、研究者が育てたい植物に合わせた環境作りを通じて研究活動に貢献しています。また、LEDを使った照射装置や光強度を測る装置も提供しています。
植物栽培室
植物を大量に育てるための部屋です。部屋の環境をその植物に適した温度と光条件に制御しています。正常に動いているかのチェックは欠かせません。所内に点在する栽培室全室を毎日点検しています。また、おんどとり(T&D社製)を用いて各部屋の温度をモニタするシステムも構築し、遠隔監視を可能にしています。
インキュベータ
大型の冷蔵庫のような装置で、温度や光を厳密に制御し、各植物の生育に最適な環境を提供します。こちらも毎日数十台を動作確認しています。
LED照射培養棚
いろんな色のLEDをサンプルに照射して応答を見ることができます。植物に限らず、ミジンコを用いた実験に使用されたこともあります。
(配属:竹内・野口)
動物たちがきれいに、快適に過ごせる場所
植物と同様に動物を用いた研究をするためには対象となる動物(マウス、魚類など)を育てる環境が必要となります。モデル生物研究支援室の動物担当グループでは、動物飼育施設の維持管理を通じて研究活動に貢献しています。最近では、ゲノム編集技術を導入したマウスの作製にも挑戦しています。
(配属:松田・澤田・飯沼)
アイソトープって?
「アイソトープ」は、日本語では「同位元素」で、安定同位体も含む意味ですが、ここではラジオアイソトープRadioIsotope(放射性同元素)、以下RI」のことを指しています。アイソトープ実験センターは、放射線を発生する試薬(例えば、放射性リンを含むDNA、放射性炭素を含む糖など)を使用するための施設です。技術職員は施設が安全に使用されるために様々な業務を行います。
教育訓練
技術職員は、実験者がRIを安全に使用するための教育訓練を行います。RIを扱うためには、講習を年に1回受講することが法令により義務付けられています。
事故を未然に防ぐ
RIを安全に使用するために、実験室の設備等に異常がないかを定期的に点検します。写真は、天井の点検口から換気ダクト・配管などの設備に劣化や破損がないかを確認しているところです。
汚染検査
RIを使用する実験台・流しはもちろんのこと、床やドアノブなども汚染されていないかを法令に基づいて月に1回チェックします。専用のろ紙で拭き取り、放射線測定機(液体シンチレーションカウンタ等)で測定します。
(配属:加藤)
~あなたの大切なサンプルを未来へ~IBBPセンターでバックアップ保管
IBBPセンターは、研究途上の生物遺伝資源をバックアップ保管するための施設で、国内の多くの研究者に利用していただいています。バックアップ保管とそのデータベース運用管理業務のほか、施設の運用保守や技術開発のための支援業務などに従事しています。
生物遺伝資源
バックアップ保管
DNA/RNA、タンパク質(抗体)、培養細胞、微生物、植物(種子、組織)、動物(精子、胚)などを、液体窒素タンクと低温低湿室で保管しています。多種多様な生物遺伝資源の保管に対応するため、幅広い知識と柔軟性を求められます。
また、学会などでIBBPの広報活動も行っています。
新規保存技術開発
超低温での保存方法が開発されていない生物種は多く、新規保存技術開発のための共同利用研究のサポートの他、研究集会(Cryopreservation Conference)、技術講習会の運営など、新規保存技術開発を推進するための支援を行っています。
施設運用保守
保管施設の点検や定期的な保守、機器のメンテナンスを行います。液体窒素は高圧ガス保安法に基づく点検など、その他、温度や湿度の常時監視、輸送容器(ドライシッパー)のメンテナンス、生物遺伝資源バックアップ保管のためのデータベース(IBBP-easy)の運用など、多岐にわたる施設や機器の管理を行っています。
(配属:三輪・水谷・松田・諸岡・澤田・飯沼(※全員兼任))
職場環境を守るための安全衛生管理室が設置されており、技術課メンバーもスタッフとして加わっています。所内の安全確保のため、巡視活動や試薬管理の取りまとめなどを通じて日々改善に努めています。
研究技術班
ミヤコグサ
ミヤコグサ(Lotus japonicus)は、日本を含むアジアの温帯地域に広く自生しているマメ科の草本です。ライフサイクルが短く、実験室内での遺伝解析が容易などの利点により、マメ科のモデル植物として広く利用されています(田中・共生システム研究部門)
RNAi(RNA干渉)
遺伝子の機能を調べるためには、目的の遺伝子の機能を低下させたり、破壊または増幅させて、生き物に現れる変化を観察します。RNAiは、面倒な遺伝子組換えを行わず、標的遺伝子の機能を低下させる(ノックダウン)手法の一つです。写真はヘラクレスオオカブトの幼虫に二本鎖RNAを投与し、蛹や成虫に変化が起こるか実験をしています(水谷・進化発生研究部門)